小松誠氏は、磁器の清潔な白さと可塑的な素材の特質を活かし、自らのユーモアの感性を表して、日常の暮らしを豊かに楽しくする作品を次々と発表してきました。
武蔵野美術短期大学卒業後、1970年スウェーデンのグスタフスベリ製陶所に入り、
スカンジナビア・デザインを代表したスティグ・リンドベリのもとでデザインに従事しました。
その経験を基に、1973年帰国、1975年に器物に両手の形を合体させたユニークな「手のシリーズ」で初個展を開催し、そしてシワのあるスーパーの紙袋から型を起こしてつくった
磁器製の花器で知られる「クリンクルシリーズ(Crinkle Series)」で一躍脚光を浴びました。
以来、石膏原型と鋳込み成形による磁器作品を主体にガラスや金属等の異素材を組み合わせた作品などを多数手がけ、現代生活の快適さや自由なライフスタイルの選択に適応する多様な提案をなしてきました。
それらのいずれもが、単に機能や生産性を主張するのではなく、一貫してユーモアのある表現と独創性を明らかにしています。
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